富山鹿島町教会
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テレホンメッセージ

「救いの歴史」(93)

 旧約聖書、出エジプト記第20章の、「十戒」についてのお話しをしています。今はその第四の戒め、「安息日を心に留め、これを聖別せよ」についてです。神様が六日間で世界と人間をお造りになり、七日目に休まれたことが、この安息日の掟の根拠であること、そして神様が休まれたのは、天地の全てを造って疲れたからではなく、お造りになった世界と人間を見て喜び、それらを祝福するためであり、安息日はその神様の喜びと祝福に人間をあずからせて下さるためであることをこれまでにお話ししてきました。つまり、七日に一日の休みの日である安息日は、私たちにとって、単に疲れをとるための休息の日なのではなくて、もっと積極的に、神様の恵み、祝福にあずかり、それを喜ぶための日なのです。そのことによってこそ、本当の安息、休みが得られるのです。

 神様の恵み、祝福にあずかり、それを喜ぶことは、神様のみ前に出て、礼拝をすることによってこそ可能となります。要するに、神様との親しい交わりの時を持つのです。それゆえに、安息日は礼拝の日です。安息日の本来の目的は、仕事を休むということではなく、神様を礼拝することにこそあるのです。それは別の言い方をすれば、人間の業、働きを停止して、心を神様に向け、神様との交わりの時を持つことです。私たちは、自分の業、働き、あるいは自分の関心事に心を奪われ、それだけに目を向けて日々を過ごしてしまいがちです。それは仕事に夢中になるというだけでなく、自分のいろいろな悩み、苦しみ、悲しみ、心配事だけしか見えなくなってしまうということもあります。そのような私たちが、それらのことから目を離して、しかもこの世の、人間の世界から目を離して、天地の全てをお造りになり、私たちに命を与え、人生を導いておられる神様に目を向け、神様の恵み、慈しみ、祝福を受ける時を持つことは、本当に幸いなことです。一週間の内の一日を、そういう日として持つことができることによって、私たちは、自分の中からは出てこない新しい力や勇気や平安を与えられるのです。「レクリエーション」という言葉があります。仕事とは別の、遊び、娯楽、余暇を意味する言葉ですが、「レ」とは「再び」という意味であり、「クリエーション」は、「クリエイト」、つまり造る、創造するという言葉から来ています。「天地創造」を意味する言葉でもあります。つまりレクリエーションとは、もう一度新たに創造される、という意味です。そのことは、創造主である神様のみ前に出て、礼拝をすることによってこそ得られる体験です。本当のレクリエーションは、神様を礼拝することなのです。そのために、他の日とは区別されているのが安息日です。この日を安息日として、神様を礼拝することのために用いよと命じているこの第四の戒めによって、私たちは、人生に本当のレクリエーションを、リフレッシュされる時を与えられるのです。

牧師 藤 掛 順 一
[2003年2月3日〜2月16日]

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