富山鹿島町教会
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テレホンメッセージ

「救いの歴史」(74)

 イスラエルの民が、主なる神様が遣わしたモーセに導かれて、奴隷とされていたエジプトから脱出し、神様が約束して下さった乳と蜜の流れる地を目指して荒れ野を旅していった、その歩みについてのお話をしています。その旅路の途中のシナイ山で、とても大切なことがありました。それは、主なる神様が彼らと契約を結んで下さったということでした。

 出エジプト記の第19章に、このシナイ山で神様がモーセを通してイスラエルの民に語られたみ言葉がこのように記されています。
「あなたたちは見た。わたしがエジプト人にしたこと、また、あなたたちを鷲の翼に乗せてわたしのもとに連れて来たことを。今、もしわたしの声に聞き従い、わたしの契約を守るならば、あなたたちはすべての民の間にあってわたしの宝となる。世界はすべてわたしのものである。あなたたちは、わたしにとって祭司の王国、聖なる国民となる。」

 これが、イスラエルの民と契約を結んで下さるに際しての神様のみ言葉です。ここには、この契約の土台と目的が語られています。契約の土台は、神様によるエジプトからの解放の恵みです。神様が奴隷状態から救い出して下さった、その恵みに基づいて契約が結ばれるのです。契約の目的は、イスラエルの民が神様の宝の民となり、祭司の王国、聖なる国民となることです。神様との契約によって、イスラエルは神様の特別な民となり、主なる神様がイスラエルの神となって下さるのです。

 今申しました契約の土台も目的も、共に、神様がイスラエルの民に与えて下さる恵みです。この契約は、神様の恵みとしてイスラエルに与えられたものです。「契約」と言うと、双方が対等な立場で結ばれる取り決めというのが私たちの常識ですが、この契約はそういう人間どうしの契約とは性格が違うのです。あくまでも、神様の恵みによって与えられた契約です。人間の側から、神様に「こんな契約を結ぼう」と提案できるようなものではありません。つまり本来人間は、神様と契約を結べるような者ではないのです。それなのに神様が人間と契約を結んで下さる、そこに聖書の語る神様の恵みの特徴があると言うことができるのです。

牧師 藤 掛 順 一
[2002年4月15日〜4月28日]

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