富山鹿島町教会
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テレホンメッセージ

「救いの歴史」(40)

 今回から、創世記第37章以下の、ヨセフの物語についてお話ししていきたいと思います。

 ヨセフは父ヤコブにとって、遅くに生まれた子であり、また最愛の妻ラケルが産んだ子でもあったので、特別にかわいがられていました。要するにヤコブはヨセフをえこひいきしていたのです。またヨセフも、甘やかされて育った子供の無神経さで、父や兄たちが自分にひれ付すという夢を見ると、それを得意になってみんなに言ったりしたので、兄たちはますますヨセフを憎むようになりました。この夢というのが、ヨセフの物語においてとても大事な役割を果たしています。神様が夢で、これから起こることをお告げになる、その夢の意味を解き明かすことによって、これから起こることがわかるのです。ヨセフが見たこの夢も、これから起こることの予告だったのです。

 ある日、ヨセフは父のいいつけで、羊の放牧に出ていた兄たちのところへお使いに行きました。兄たちはヨセフが近づいてくるのを見て、あいつを殺してしまおうと相談します。長男のルベンは、直接手を下すのはよくない、穴に投げ込んでしまおうと言います。彼は後でヨセフを助けに来ようと思っていたのでした。ヨセフは兄たちによって上着をはぎ取られ、穴に投げ込まれてしまいました。その後、ルベンのいない間に、エジプトに行く隊商が通りかかりました。兄の一人ユダは、ヨセフをこのまま死なせるよりも奴隷に売ってしまおうと提案し、ヨセフは兄たちによって奴隷に売られてしまったのです。ルベンが帰ってみると、ヨセフはもう連れ去られた後でした。兄たちはヨセフの上着に山羊の血をつけて、父ヤコブのところに持って帰り、「野でこんなものを見つけました」と報告しました。ヤコブはヨセフが獣に食い殺されてしまったと思い、深く嘆き悲しみました。

 さて、隊商に売られたヨセフはエジプトに連れて行かれ、エジプトの王様の侍従長であったポティファルという人に奴隷として売られました。そこでヨセフは一旦は主人に信頼され、その家の財産を管理する仕事を任されるまでになりましたが、主人の妻が彼に言い寄り、それを相手にしなかったために逆にうらまれて、濡れ衣をきせられ、主人の怒りをかって牢獄に捕えられる身になってしまいました。このようにヨセフの身には次々と悲しい悲惨な出来事が重なっていったのです。しかしそれらのこと全てが、神様の恵みによるご計画の中にあったということが、後からわかってくるのです。

牧師 藤 掛 順 一
[2000年10月30日〜11月12日]

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