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テレホンメッセージ「救いの歴史」(41)創世記第37章以下の、ヨセフの物語についてお話ししています。 エジプトに奴隷に売られたヨセフは、無実の罪で牢獄に捕えられてしまいましたが、同じ牢に、エジプトの王ファラオの給仕役の長と料理役の長が入れられてきました。彼ら二人は同じ夜に夢を見ました。それらの夢は何かを告げているようでしたが、二人はその意味がわかりません。ヨセフはその夢を聞き、その意味を解き明かしました。それは、給仕役の長はまもなく釈放されてもとの職に戻ることができるが、料理役の長は死刑にされてしまう、ということでした。三日目にヨセフの言った通りのことが起こりました。ヨセフは給仕役の長に、あなたが釈放された時には自分のことをファラオにとりなして、牢から出られるように計らってほしいと頼んでいましたが、給仕役はそのことをすっかり忘れてしまいました。 それから二年経ったある日、王ファラオが夢を見ました。同じような夢を二回続けて見たのです。ファラオはその意味を知りたいと、国中の魔術師や賢者を集めましたが、誰もその夢の意味を解き明かすことはできませんでした。その時、あの給仕役の長がヨセフのことを思い出したのです。彼はファラオに、かつて自分の夢を解き明かし、自分の運命を言い当てた男が牢につながれていますと告げました。ファラオはヨセフを牢から連れて来させ、夢の解き明かしを求めます。 ファラオの見た第一の夢とは、ナイル川の岸に立っていると、よく肥えた牛7頭が川から上がって来たが、その後から7頭のやせ細った牛が上がって来て、先の越えた7頭を食い尽くしてしまったというものでした。第二の夢は、よく実の入った7つの穂が一本の茎から出てきたが、その後からひからびた7つの穂が生えてきて、先の穂をのみ込んでしまった、というものでした。ヨセフは、これらの夢は、エジプトにこれから7年間大豊作が続く、しかしその後7年間は大飢饉が続き、先の豊作のことなど忘れ去られてしまうという意味だ、だからその7年の豊作の間に穀物を貯蔵しておいて飢饉に備えるべきだ、と答えました。ファラオはヨセフの解き明かしに感心し、他ならぬヨセフを宮廷の責任者として飢饉に備えさせることにしました。こうして奴隷に売られたヨセフはエジプトの大臣になったのです。
牧師 藤 掛 順 一 |
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