富山鹿島町教会
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テレホンメッセージ

「救いの歴史」(39)

 「救いの歴史」と題して、創世記12章以下を読みながらお話をしています。イスラエルの民の最初の先祖となったアブラハム、その子イサク、そしてそのイサクの子である双子の兄弟エサウとヤコブのことを、順を追ってお話してきました。双子の中でも先に生まれた兄エサウではなくて弟ヤコブが、アブラハム以来の神様の祝福の継承者となり、イスラエルの民の先祖となった経緯をお話してきたのです。エサウからは、エドムと呼ばれる別の民族が起こりました。今日のヨルダンという国の南の方に住んでいた民族です。一方、イスラエルという新しい名を神様から与えられたヤコブの息子たちが、イスラエルの民の12の部族の先祖となりました。創世記35章23節以下によれば、その名はルベン、シメオン、レビ、ユダ、イサカル、ゼブルン、ヨセフ、ベニヤミン、ダン、ナフタリ、ガド、アシェルです。このリストは、生まれた順番ではなくて、同じ母親から生まれた人を並べています。また、今あげた12人の名前がそのまま部族名になったのではありません。多少違っている所があります。その事情をこれから見ていきたいと思います。聖書の個所で言うと、創世記37章以下、内容から言うと「ヨセフ物語」と呼ばれるところです。  先ほどのヤコブの12人の息子たちの中で、一番年下だったのはヨセフとベニヤミンです。末っ子はベニヤミン、その上がヨセフでした。父ヤコブは、年をとってから生まれた、しかも最愛の妻ラケルが生んだヨセフとベニヤミンをことのほかかわいがりました。特にもうある程度大きくなっていたヨセフを愛し、彼だけに特別に晴れ着を作ってやったりしました。兄たちはそれを見てやきもちをやき、ヨセフを憎むようになりました。

 ヨセフの方も、兄たちの思いを逆なでするようなことを言ったのです。彼は夢を見ました。その内容は、父や兄たちが自分の前にひれ伏す、というものでした。それを平気で兄たちに言ったりするものですから、兄たちはヨセフに対して激しい怒りと憎しみを抱くようになりました。この兄たちの憎しみから、ヨセフ物語は始まります。人間の憎しみ、罪を用いて、神様のご計画が進んでいく、という話です。次回から、その話に入っていきますのでどうぞお楽しみに。

   

牧師 藤 掛 順 一
[2000年10月16日〜10月29日]

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