富山鹿島町教会
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テレホンメッセージ

「救いの歴史」(32)

「救いの歴史」と題して、旧約聖書創世記についてのお話しをしています。今回はその29章以下のところについてです。ヤコブは兄エサウのもとを逃れて、母リベカの実家であるハランのラバンのもとに身を寄せました。ラバンはヤコブの叔父に当ります。ラバンにはレアとラケルという二人の娘がいました。ヤコブは妹のラケルを愛し、彼女と結婚するためにラバンのもとで7年間働きました。しかし7年が過ぎた時、ラバンが彼に妻として与えたのは姉のレアでした。ヤコブは妹のラケルをもぜひ妻として得たいと願い、さらにそれから7年、ラバンのもとで働く約束の下に二人を妻としました。旧約聖書の時代には、一夫多妻は珍しいことではありませんでした。

レアとラケルは、競って子供を生みました。自分たちに子供が生まれなくなると、それぞれ自分の女奴隷を通して子供を得ようとしました。そのようにして、ヤコブには多くの息子たちが与えられました。その名前を並べると、ルベン、シメオン、レビ、ユダ、ダン、ナフタリ、ガド、アシェル、イサカル、ゼブルン、ヨセフ、そして最後にベニヤミンです。この12人の息子たちが、基本的には、後のイスラエルの12の部族のもとになったのです。ただし、12部族の名前とこの12人は一致していないところがあります。その事情については、おいおいにお話しすることになるでしょう。いずれにせよ、ヤコブは逃亡先のハランで、このように多くの家族、子供たちを得たのです。そこに、神様の祝福の印がありました。

また彼は、これも神様の導きによって、ラバンのもとで多くの家畜を持つようになりました。兄の怒りを恐れて身一つで逃亡したヤコブは、逃亡先である叔父ラバンのもとに20年間留まる間に、非常に豊かな、大家族になったのです。しかしヤコブの思いはいつも生まれ故郷であるカナンの地に向けられていました。いつかは故郷に帰りたい、という願いが日に日に強くなっていったのです。神様もかつて、あなたを必ずこの土地に連れ帰る、と約束して下さっていました。しかし故郷には、彼がだまして長子としての権利と祝福を奪い取ってしまった兄エサウがいます。そこへどのようにして帰ることができるだろうか。それがヤコブの悩みの種だったのです。

牧師 藤 掛 順 一
[2000年7月3日〜7月16日]

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