富山鹿島町教会
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テレホンメッセージ

「救いの歴史」(31)

旧約聖書創世記28章10節以下の、ヤコブが兄エサウのもとから逃げていく途中で見た夢についてお話ししています。ある所で石を枕にして眠っていたヤコブは、地上から天に達する梯子があって、そこを天使たちが昇り降りしている夢を見たのです。その夢の中で神様は彼に、「見よ、わたしはあなたと共にいる。あなたがどこへ行っても、わたしはあなたを守り、必ずこの土地に連れ帰る」と約束して下さいました。彼は目を覚ますと、枕にしていた石を記念碑として立て、神様を礼拝しました。苦しみの中で、神様が共にいて下さる、その恵みを彼は知ったのです。

今バックに流れているのは、この場面を歌った讃美歌(「讃美歌」320番、「讃美歌21」434番)です。「主よみもとに近づかん」という言葉で始まるこの讃美歌は、ヤコブの夢を歌っているものですが、ヤコブの見た梯子を昇って自分たちも天に昇る、つまり死んで神様のもとに行くことをを意識した歌です。映画「タイタニック」をご覧になった方は、沈没していくタイタニック号の楽団員たちが、乗客を力づけ、励ます元気な曲を弾き続けていたのが、いよいよ最後となった時に、この曲を演奏した場面を思い出されるのではないでしょうか。

逃亡の苦しみの中で、神様がヤコブに、「わたしはあなたと共にいる。あなたがどこへ行っても、わたしはあなたを守る」と約束して下さったことを歌うこの讃美歌は、死に直面した人々を慰め、支える働きをしたのです。

牧師 藤 掛 順 一
[2000年6月19日〜7月2日]

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