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テレホンメッセージ「聖書の人間理解」(52)旧約聖書創世記第6章以下の、「ノアの箱舟」の話を読みながら、聖書の人間理解についてお話ししています。 洪水で全ての生き物が滅ぼされ、箱船に乗ったノアたちだけが救われた、その後、神様がノアに、もう二度とこのように地を滅ぼすことはしない、と約束して下さった、契約を結んで下さったということを前回申しました。
その契約の印が、虹です。9章12節にこうあります。 ところで、どうして虹がこの契約のしるしなのでしょうか。一つの説としてこのようなものがあります。虹は弓を表している。矢を射る弓です。虹が弓であるとすると、そこにつがえられる矢はどちらに向いているのでしょうか。それは上へと向かっています。上へ、つまり天へと向いているのです。虹の弓は、天に向かって矢を射ようとしています。神様は、洪水において、地上の人間たちの罪に対して怒り、人間たちを滅ぼされました。神の怒りの矢が天から人間へと、上から下へと向けられたのです。しかし今や、その矢は反対の方向へと、つまり天へと、神様の方へと向けられている、それが、虹の持つ意味だと言われます。つまり神様は、人間の罪のゆえに、怒りの矢を人間へと向けることはもうなさらないと宣言されたのです。その矢は今度は、天へと、神様ご自身へと向かいます。つまり人間の罪の結果としての苦しみを、神様ご自身が引き受けて下さるのです。そのことが、新約聖書に語られている、神の子イエス・キリストの十字架の死において現実となりました。神様は、罪のゆえに人間を滅ぼすのではなく、ご自分の独り子の十字架の死によって、それを背負い、赦して下さったのです。ノアの箱船の物語はこうして、イエス・キリストによる救いへとつながっているのです。
牧師 藤 掛 順 一 |
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