富山鹿島町教会
(50)←「聖書の人間理解」→(52)

テレホンメッセージ

「聖書の人間理解」(51)

 旧約聖書創世記第6章以下の、「ノアの箱舟」の話を読みながら、聖書の人間理解についてお話ししています。

 洪水が終って箱舟から出たノアたちに、神様が、もう二度とこのように地を滅ぼすことはしない、と約束して下さったということを前回申しました。神様がそのような約束をして下さることを、聖書では「契約」と言います。9章9節以下に「わたしは、あなたたちと、そして後に続く子孫と、契約を立てる。…わたしがあなたたちと契約を立てたならば、二度と洪水によって肉なるものがことごとく滅ぼされることはなく、洪水が起こって地を滅ぼすことも決してない」という神様のみ言葉が記されています。

 この契約は、ノアたちがもはや罪を犯すことのない良い人々だから、ということではありません。8章21節には神様がこう言われたとあります。「人に対して大地を呪うことは二度とすまい。人が心に思うことは、幼いときから悪いのだ」。つまり、人間は皆、幼い時から、悪い思いを持っている、罪に落ちている、その人間を罪のゆえに滅ぼしていたら、このような洪水を何度も何度も繰り返さなければならない、そのようなことはこの一度きりで沢山だ、ということです。神様は、人間を罪のゆえに徹底的に罰して滅ぼすことをおやめになったのです。それがこの契約の意味です。

 その契約の印として、空に虹が現れたと聖書は語ります。
「あなたたちならびにあなたたちと共にいるすべての生き物と、代々とこしえにわたしが立てる契約のしるしはこれである。すなわち、わたしは雲の中にわたしの虹を置く。これはわたしと大地の間に立てた契約のしるしとなる。わたしが地の上に雲を涌き起こらせ、雲の中に虹が現れると、わたしは、わたしとあなたたちならびにすべての生き物、すべて肉なるものとのの間に立てた契約に心を留める。水が洪水となって、肉なるものをすべて滅ぼすことは決してない。」
雨あがりに出る美しい虹は、神様のこのような契約、人の罪のゆえに地を滅ぼすことはもうなさらない、という約束の印なのです。

牧師 藤 掛 順 一

メッセージ へもどる。

(50)←「聖書の人間理解」→(52)