富山鹿島町教会
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テレホンメッセージ

「救いの歴史」(24)

旧約聖書創世記第25章の、エサウとヤコブの物語を読み進めていきたいと思います。エサウとヤコブは、イサクの双子の息子たちでした。イスラエル人の最初の祖先アブラハムの孫に当たります。この二人が生まれる前に主なる神様が母リベカに言われた言葉が23節にあります。
「二つの国民があなたの胎内に宿っており、二つの民があなたの腹の内で分かれ争っている。一つの民が他の民より強くなり、兄が弟に仕えるようになる」。
二人がこの世に生まれ出る前に、既に神様はこの二人の関係を予告しておられます。そして、「兄が弟に仕えるようになる」、つまり、弟ヤコブが、兄エサウをしのぐ者となると言われたのです。この神様のみ言葉が、次第に実現してくのです。

さて、エサウとヤコブは性格も全く違う兄弟でした。27、28節にこうあります。
「二人の子供は成長して、エサウは巧みな狩人で野の人となったが、ヤコブは穏やかな人で天幕の周りで働くのを常とした。イサクはエサウを愛した。狩りの獲物が好物だったからである。しかし、リベカはヤコブを愛した。」

エサウは野をかけまわる活発な狩人、ヤコブはもの静かで内向的な性格でした。エサウは父イサクの愛を受け、ヤコブは母リベカの愛を受けて育ちました。29節以下にこうあります。
「ある日のこと、ヤコブが煮物をしていると、エサウが疲れきって野原から帰って来た。エサウはヤコブに言った。『お願いだ、その赤いもの(アドム)、そこの赤いものを食べさせてほしい。わたしは疲れきっているんだ。』彼が名をエドムとも呼ばれたのはこのためである。ヤコブは言った。『まず、お兄さんの長子の権利を譲ってください。』『ああ、もう死にそうだ。長子の権利などどうでもよい』とエサウが答えると、ヤコブは言った。『では、今すぐ誓ってください。』エサウは誓い、長子の権利をヤコブに譲ってしまった。ヤコブはエサウにパンとレンズ豆の煮物を与えた。エサウは飲み食いしたあげく立ち、去って行った。こうしてエサウは、長子の権利を軽んじた。」

ヤコブは腹の空いた兄から、一杯の煮物と引き換えに、長子の権利を奪い取ってしまったのです。ヤコブの抜け目ないずる賢さと、エサウの軽率さによって、兄と弟の立場の逆転が始まったのです。

牧師 藤 掛 順 一
[2000年3月6日〜3月20日]

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