富山鹿島町教会
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テレホンメッセージ

「救いの歴史」(16)

神様は、アブラハムとサラ夫婦に、ついに子供イサクを授けて下さいました。それはアブラハムが、あなたの子孫を星のように多くするという神様の約束をいただいて、75歳で旅立ってから25年後、彼が百歳になった時に実現したことでした。彼らは神様の約束の実現を25年の間待ち続けたのです。その間には、疑うこともありました。もうこの約束の実現は無理だと思って、人間的な手段を用いて跡継ぎを得ようとしたこともありました。そのように神様の約束を信じ切ることのできないアブラハムとサラでしたが、神様の方は、ゆっくりと時間をかけて、何度も約束を繰り返し、そしてついに、それを実現して下さったのです。神様は約束して下さったことを必ず果たして下さいます。それは、私たち人間の期待するのとは違う形においてであることが多いですが、しかし神様はご自分の約束に対してどこまでも忠実であって下さるのです。

さてイサクは成長し、少年になりました。アブラハムにとって、ただ一人の、かけがえのない子供です。ところがある時、恐ろしい試練が神様からアブラハムに与えられたのです。創世記22章を読んでいきます。
これらのことの後で、神はアブラハムを試された。神が「アブラハムよ」と呼びかけ、 彼が「はい」と答えると、神は命じられた。
「あなたの息子、あなたの愛する独り子イサクを連れて、モリヤの地に行きなさい。 わたしが命じる山の一つに登り、彼を焼き尽くす献げ物としてささげなさい。」

息子イサクを、焼き尽くす献げ物として私に献げよ、と神様は言われるのです。「焼き尽くす献げ物」というのは、普通は動物などを、殺して、その全てを文字通り焼き尽くして神様に献げるということです。つまり神様はアブラハムに、自分の息子を殺して献げよと命じられたのです。これはどういうことなのでしょうか。アブラハムにとってイサクは、神様の約束の実現としてようやく授かったただ独りの息子です。アブラハムがイサクをどんなに大事に思っているかを、神様はよくご存じなのです。「あなたの愛する独り子イサク」と言っていることからそれは明らかです。そのイサクを殺して献げよとは、なんと恐ろしい、また残酷な命令でしょうか。それに、そんなことをしたら、神様のあの約束、彼の子孫を星のように多くするという約束はどうなってしまうのでしょうか。この恐ろしい命令を受けて、アブラハムはどうしたのでしょうか。

 

牧師 藤 掛 順 一
[1999年11月1日〜11月14日]

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