富山鹿島町教会
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テレホンメッセージ

「救いの歴史」(55)

 「救いの歴史」と題して、旧約聖書出エジプト記についてのお話をしています。エジプトで奴隷とされ、苦しめられているイスラエルの民を救うために、神様はモーセを選び、遣わそうとされます。「私は弁の立つ方ではありません」と躊躇するモーセに、神様は、「人に口や耳を与え、語ることができるようにしているのは私だ。その私があなたの口と共にあって語るべきことを教える」とおっしゃいました。それでもモーセは、「ああ主よ。どうぞ、だれかほかの人を見つけてお遣わしください」と言います。それに対して神様はこうおっしゃいました。出エジプト記4章14節以下です。
「あなたにはレビ人アロンという兄弟がいるではないか。わたしは彼が雄弁なことを知っている。その彼が今、あなたに会おうとして、こちらに向かっている。あなたに会ったら、心から喜ぶであろう。彼によく話し、語るべき言葉を彼の口に託すがよい。わたしはあなたの口と共にあり、また彼の口と共にあって、あなたたちのなすべきことを教えよう。彼はあなたに代わって民に語る。彼はあなたの口となり、あなたは彼に対して神の代わりとなる。あなたはこの杖を手に取って、しるしを行うがよい。」
 こうしてモーセは、兄弟アロンという助け手を与えられたのです。神様は一方で、「私があなたと共にあるのだから、あなたにはできる」と言って、断固、彼をお遣わしになります。しかしまた一方でこのように、彼の足りない所、不得手な所を補う助け手をも与えて下さるのです。

 こうしてモーセとアロンはエジプトに行き、同胞であるイスラエルの民に語りかけ、主なる神様が自分たちに現れて、民を苦しみから救い出すためにお遣わしになったことを告げました。イスラエルの人々はそれを信じ、神様に感謝しました。そしていよいよモーセとエジプト王ファラオとの交渉が始まりました。モーセたちはファラオのもとに行ってこう言いました。「イスラエルの神、主がこう言われました。『わたしの民を去らせて、荒れ野でわたしのために祭りを行わせなさい』と」この要求の言葉は大事です。イスラエルの民の「出エジプト」は、単に奴隷の苦しみから逃れるためではないのです。主なる神様を礼拝し、その祭りを行うためです。それはファラオを納得させるための方便ではありません。イスラエルの民は、主なる神様を礼拝する神様の民となるために、エジプトを出るのだし、そのためにこそ、エジプトを出なければならないのです。

牧師 藤 掛 順 一
[2001年6月11日〜6月24日]

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