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H20.9.24 予算特別委員会(質問)

横山委員

 皆さん、おはようございます。
 昨夜、黒部市のほうで会合がありまして、知事選に対するちょっと引 き締めということで役員会を開いておりまして、黒部にも石井知事をしっかりと応援していこうという方々がたくさんおいでになりました。きのうの大野委員の 質問で、黒部峡谷あるいは欅平周辺なんかの御答弁を聞いておりますと、どうもあのへんになると黒部市にちょっと冷たいのかなという気もいたしております が、下のほうでは随分知事にお世話になっております。きょうも黒部峡谷などということで質問いたしますので、どうぞ積極的な御答弁をよろしくお願いいたし ます。
 富山市におけるコンベンションが開催される予定で、その中でエクスカーションといいますか、いろんな事業をされるわけですが、幾つもある んでしょうけれども、一部に関西電力の社客扱いとした黒部ルート見学会を含みまして、そして全体をエクスカーションとして周遊が企画されたと聞いておりま す。どのような状況になっているのか、また今後も、機会があれば関西電力さんにお願いしていく予定なのか、お伺いしたいと思います。

 

寺井観光・地域振興局長

 御質問のコンベンションは、あす25日から開催されます全国産業観光フォーラムinとやま2008のことだと思いますけれども、これにつきましては、本県のものづくりの歴史や豊かな観光資源をPRする絶好の機会だというふうに思っております。
 そういったこともありまして、主催者におかれまして、2日目に県内4つの産業観光コースを設定いたしまして、全国からの参加者の皆さんに、県内各地の企業や観光地をめぐっていただくエクスカーションを予定しておられます。
  また、これとは別に、主催者の配慮によりまして、来賓やパネリストの方々に立山・黒部の自然と電源開発の歴史に触れていただくために、今回関西電力の協力 を得まして、社客として黒部ルートの見学会を特別に企画したものであります。産業観光の紹介という趣旨ではないので、一般の参加者には募集案内をしており ませんので、現在のところ、県外のパネリストの先生方などを中心に8名の方の参加が予定されております。
 また、同様に、今後もコンベンションの開催にあわせまして、主催者のほうから黒部ルートの見学会の要望があれば、県としても、関西電力に対する働きかけに協力していきたいというふうに考えております。

 

横山委員

 富山市ばかりじゃなく、地元黒部市にも立派な会場がたくさんございますので、そのへんでも開催されれば、ぜひそういうものにエクスカーションとして参加できるように、また御協力をお願いしたいと思います。
  そこで、ちょっとお聞きするんですが、黒部ルート見学会は関西電力さんが主催で、県が協力してやっている見学会でございますが、前から何回も聞いているん ですが、間違いなく産業観光であるという御答弁をいただいております。一般的に産業観光というものにつきまして、ガイドやあるいは運転手さん、また安全確 保に関する経費についてなどは相当の料金を取っても問題はないというふうに思います。そういうふうにして取っておいでになるところもあると聞いております が、このへんについてお考えを伺いたいと思います。

 

寺井観光・地域振興局長

 一般論として申し上げますと、産業観光として施設見学を実施する際、企業の判断で実費を徴収 されることは差し支えないというふうに思っておりますが、県内の実態を見てみますと、見せるためにつくられた博物館や資料館のほかは、実際の生産現場など を見せる場合では、ほとんどは有料とはしておられないというのが現状であります。
 また、関西電力の黒部ルートの見学につきましては、確かに、電 源開発や発電の現場を体験してもらうという意味では、産業観光的な側面もあると思っておりますが、関西電力におかれましては、観光ではなくて、電気事業に 理解をいただく見学会というふうに位置づけておられます。
 また、御承知のように黒部ルートは、一般の旅客を運送する運輸事業ではございませんので、運賃を取ることはできませんけれども、案内や安全確保に関する実費として参加者に料金を求めることは、設置者の判断で可能ではあるというふうに思っております。
  ただ、今ほど申しましたように、関西電力におかれましては、黒部ルートは、現に工事や保守点検のために管理し、業務に実際に利用しているものでありますこ とから、積極的に見せるという意味での観光ではなくて、電源開発の歴史を理解してもらう見学会であるという位置づけでございますので、公募見学会に係る人 件費等経費について負担を求めていくという考えはないというふうに聞いております。

 

横山委員

 関西電力さんはそういう感覚なんですが、私は県の考えを聞いているんです。
 私は何回もお聞きしているんですが、このルート見学会というのは昔からやっている最たる産業観光でないかと私は主張しているんですが、そのへんについて県の考えを伺いたいと思います。  

 

寺井観光・地域振興局長

 この位置づけは見学会、あるいは産業観光、いずれにしても、設置者の判断で実費をお取りになることは可能であるとは思っております。

 

横山委員

 その金を取る話じゃなくて、産業観光なのかどうか、県はどういうふうに考えているかということをお聞きして おりますので、その先の話は次にしようかと思っておるんですが、県としては、あれも産業観光だなという位置づけなのか、いや、あれは産業観光じゃないがだ という位置づけなのか、ちょっとお聞きしたいと思います。

 

寺井観光・地域振興局長

 産業観光であるか、ないかという明確な定義があるわけではございませんが、確かに電源開発の歴史、あるいは発電の現場を体験できるという意味で、産業観光的な側面はあるというふうに考えております。

 

横山委員

 わかりました。そういう側面もあるということで、関西電力さんがそういう料金も取ることも不可能ではないと。それは関西電力さんの考え方だと、そういうふうな趣旨だと思います。
  YKKさんは黒部市ですが、やっていただいておりまして、好評をいただいておるわけですが、実際にYKKさんの場合は、多ければもっとたくさんバスを用意 してもいいとか、いろいろとそういうことが可能で、産業観光としてしっかり取り組んでいくということで工場内も整備してやっていこうと、今現在、進行中で やっておいでになります。
 こういったものと比べると、この黒部ルート見学会は、平日だけでは参加人数というものに制限が出てくるということであ ります。産業観光であろうとどうであろうと、ルート見学会につきまして土曜とか日曜あるいは休日に実施していただけないものであろうかと。5便が実際には 行き来しておりまして、ルート見学会は、そのうち特定の日に片道30人ずつ1便お願いしているわけでございまして、それはたくさんできるかどうかわかりま せんが、5便あるうちの1便だけではなくて2便ぐらい、それも1列車70人ぐらい乗ることができますよね。それを全部せいとか、そんなことは全く申し上げ ておりませんが、もっと拡充して、しかも経費も多少取られたらどうなんだろうかと。安全確保のためにガイドの方が休日出勤して来られるわけですから、それ はそういうことでお金を取られても──それは莫大な金を取られるとどうしようもないですが、十分理解を得られるのではないか。そして、関西電力さんの電源 開発、あるいは現在の発電の状況などを体感していただくというのは非常にいいことだと思います。
 そのおまけに、そういうふうにたくさんとなれ ば、地元の国際会館セレネでの、先ほどありましたエクスカーションとか、あるいは地元の宇奈月温泉にたくさんの宿泊施設もありますから、そんなところと連 携して、このルート見学会、産業観光が実施されるということになれば、すばらしい。私は、それこそ産業観光の最たるものでないかと思うんですが、いかがで しょうか。

 

寺井観光・地域振興局長

 黒部ルートの見学会は、平成8年度から始まりまして、その後順次拡充してきておりまして、現在は定員2,040名ということで、昨年度は応募者7,040名で、実績が1,903名というところまでになってきております。
  委員御提案の土日あるいは祝日での開催につきましては、これまでも関西電力との協議事項の中で要望してきてはおりますけれども、関西電力におきましては、 土日では要員体制が十分でないため、悪天候時における見学会の中止の連絡体制、あるいは事故等の緊急時における見学者の安全確保が十分とれないというこ と。それから土日、祝日は、原則的に発電施設が運転していないため十分な施設案内ができず、見学会の目的が十分達成できないといった理由から、実施は困難 というふうに聞いております。
 なお、土日ではございませんが、これまでの協議の結果、それにつながる金曜日や月曜日の公募見学会を実施してきておりまして、平成15年に始めたころは2回でございましたが、順次回数を増やして、今は8回というふうに拡充に努めてきております。
 いろいろ制約のある中ではありますが、今後とも、今委員提案の土日あるいは祝日の実施も含めまして、見学会の充実について、引き続き関西電力と協議していきたいと思っております。

 

横山委員

 緊急のときに連絡がつかないとか言っておられますが、宇奈月温泉さんと連携することによりまして、例えば宇 奈月温泉に1泊泊まってから上がってくれとか、条件をつければいいんですよ。地元にもたくさんの施設があります。あるいはエクスカーションとしてやるにし てでも、参加者というのはそこの団体で管理しておいでになりますから、1人ずつ個別に、全部に連絡をしなくても、どこか1カ所に、これは無理だというよう な連絡をすれば、対応は十分可能だと思いますが、いかがでしょうか。
 それと、私も休みの日に行ったことがあるんですが、実際に社客としてやって おられます。それから、タービンが回っておらんでも、あれを見ただけでも、こういうもんが回っておるがかというような、あるいは大きなドームの中を見るこ とによりまして、山の中にこんなすごい大きなトンネルというか穴を掘って、そしてこんなことをやっているんだなというのは、十分体感できて、あれが回って いるか回っていないかというのは大きな問題ではないと私は思うんですが、いかがでしょうか。

 

寺井観光・地域振興局長

 おっしゃる趣旨も踏まえまして、今後の協議の中で要望していきたいと思っております。やはり安全確保というのは大事だと思っておりますので、それに十分留意しながら協議していきたいと思っております。

 

横山委員

 ひとつよろしくお願いします。せっかく観光という部署も所管しておいでになりますので、今後はそういう視点 も取り入れられまして、これまでの知事政策室の冷たい御答弁ばかりではなくて、観光という面をぜひ前面に押し出してやっていただきたいなというふうに思い ますので、よろしくお願いいたします。
 続きまして、平成9年3月25日ですか、黒部川流域調査検討協議会ワーキンググループ記録書──協議会が あって、そこでワーキンググループをつくって、県からも、それから関西電力、専門家がたくさん集まられて記録書をつくられました。記録書の中身は、黒部 ルート見学会の中身についていろいろと検討して、たくさんの課題を網羅して言っておられます。
 ところが、このころからもう12年近く経過してお ります。検討されるもととなる、基礎になる条件が、いろんな規制緩和などで変わってきていると思っております。それから、当時の調査不足もあるのかなと 思ったりいたしまして、ルート開放の課題も多少減っているんでないかなというふうに私は感じるんですが、そのへんについて御見解をお伺いいたします

 

寺井観光・地域振興局長

 御質問のとおり平成8年度に調査いたしまして、黒部ルートを仮に一般運送事業として営業する ことを想定した場合に、現在の施設設備をどのように改善しなければならないかといった点をリストアップいたしました。これにより、数多くの課題などが明ら かにされたところでありますが、その後、関係法令の改正等により、幾つかの点で適合するようになったものもあります。
 具体的に申しますと、欅平 から黒部ダムに至るまでは竪坑エレベーター、上部軌道、インクライン、黒部トンネルというふうにありますけれども、例えば竪坑エレベーターにつきまして は、平成11年の建築基準法の改正によりまして、出入り口が2方向あっても差し支えないということになりました。
 それから、上部専用軌道につき ましては、これまで法的拘束力のある省令で仕様の細部まで基準が規定されておりましたが、平成13年度末で省令が改正されまして、一部は省令でなく通達で 規定されることになりました。ただ、その通達で示されております解釈基準では、その内容は本質的にはこれまでと変わっていないということであります。
 それから、インクラインにつきましても省令が改正されておりまして、特殊鉄道としての巻き取り機の直径はロープの直径の100倍以上でなければならないという規定が通達になりまして、それも80倍以上というふうに改正されまして、この点は適合するようになりました。
 このように、一部は現状のままでも法令に適合するというような部分が出てきておりますけれども、まだ多くの部分は問題が残っているという状況であります。
  また、そういった運輸関係法令上の問題のほか、黒部ルートはほとんどが地下のルートになっておりますので、避難設備や消火設備、換気装置がないといったよ うな不備な点もございまして、利用者の安全を考えた場合、現在の施設では一般開放することは難しいのかなというふうに思っております。

 

横山委員

 すぐ一般開放できるかどうかと言われると、私もたくさんの課題がまだ残っているなというふうに思っています。
 今のお答えの中で、黒部トンネルの部分が抜けておりましたが、そちらのほうはどうですか。

 

寺井観光・地域振興局長

 黒部トンネルにつきましても、待避所の間隔等について法令等の基準を満たしてないという問題 がございます。現に法令等の基準の改正がございますが、実際申請した場合どうなるかということに関しましては、国交省等が判断されるところでございますの で、現在のところは特に状況が変わっていないのではないかというふうに思っております。

 

寺井観光・地域振興局長

 黒部トンネルにつきましても、待避所の間隔等について法令等の基準を満たしてないという問題 がございます。現に法令等の基準の改正がございますが、実際申請した場合どうなるかということに関しましては、国交省等が判断されるところでございますの で、現在のところは特に状況が変わっていないのではないかというふうに思っております。

 

横山委員

 記録書の中に、黒部トンネルについて、一般道として見通し距離が100メーター以上なければならないのに 75メーターとか、それから待避所は何百メートルに1カ所だったですか、これの箇所数がちょっと足りないとかという記述がありますよね。新潟の運輸局に過 去に聞いたことがあるんですが、こんなものについては最初からオーケーなんだと。一般道として、例えばスピード制限をつけたらどうかとか、ましてやダイヤ を組んでいるようなところに待避所が何カ所いるかなんていう議論はないんだと。両方から一緒に行くがなら、1カ所の待避所というか交換するところがあれば いいんだと。ダイヤを組まないで、自由にどんどん通って行くんなら、それは何百メーターに1カ所とか、そういうものが必要ですけれど、そんなもの必要ない んだと。あるいはカーブミラーをつけたらどうですかとか、簡単にそんなことを言われました。おっしゃる消火設備とかいろいろな課題があるんですが、このへ んについてはどういうお考えなんですか。

 

 

寺井観光・地域振興局長

 ただ、法令等の規定によりましては、例えば待避所は300メートルに1カ所必要だということ になっていまして、見通し距離につきましても100メートル以上ということに対して、現状では、待避所は1,000メートルに1カ所しかないというような ことで、法令をそのまま読む限りはなかなか基準に適合しないということでもありますし、今委員がおっしゃったような、ダイヤによっては可能性があるんじゃ ないかというようなことについては、これはやっぱりきちっとした運行規程を設けて、正式に協議をした上でないと国交省の判断はいただけないんじゃないかと いうふうに思っております。

 

横山委員

 そうすると、どこかで物事をやろうとして、ここの待避所は何カ所いるがかな、あるいはどういう施設がいるが かなと検討するときに、最初から待避所は3カ所だと決めて、それで国交省に聞かないと、オーケーだとかそういうことがわからないと。そんなばかなことはな いと思うんですよ。法律で決まって、いろんなあれがあるんだから。事前に聞いて、こういうがだったら何カ所ぐらいでいいんですかとか、そんな協議に最初に 応じてくれるのは当たり前だと思いますが、私らが聞いたら、簡単にそういうふうに答えられるんですよ。それが実際に計画書を出さないと返事がもらえないっ て、そんなばかなことはないと思うんですが、いかがですか。

 

寺井観光・地域振興局長

 正式の許認可権限のある官庁としての判断は、やはりちゃんとした計画を説明した上でないと返 事はいただけないのではないかと。仮定の形で、一般論としていろいろな議論はされるかもしれませんけれども、それが可能かどうかについては、具体論がない と判断を示していただけないのではないかというふうに思っております。

 

横山委員

 私でも答えてもらえるんですよ。どこかに新しいものをつくろうとかというんじゃなくて、今、現状であるんで すよ。あるものを、例えばスピード制限30キロ以下とか。あそこをまさか60キロで走るはずもないですしね。あるいは、ダイヤを組んで、こういうふうにし ているんだけれども、これはだめなんですかと。現実にあるじゃないですか。それをなぜ問い合わせることができないんですか

 

寺井観光・地域振興局長

 問い合わせはしてみようかとは思いますが、具体の案件がないとしっかりとした回答はできないということもお聞きしておりますので、問い合わせはしてみたいと思います。

 

横山委員

 実際、あそこにこれほどしっかりした案件があって、言っていますように、期間にある程度制限を加えて、こう いうがにしたら通れるがかというのは、それは聞けば答えてくれますよ。私らにですら答えてくれたんですから、県が聞けば、それはだめだよとか、いいよとか 答えてくれますよ。計画書をつくらなくたって、実際に通っているんだから、スピード制限をつけて、これでいいですかとか、あるいはダイヤを組んでやってい るんだから、待避所はこれでどうですかって聞けば、そんなことはいくらでも答えてくれる。いくら国でも、そんなことに正式にどうやるか出してこんにゃだめ だとか、そんなことは全くないと私は思いますので、ぜひ一回聞いていただけませんか。私が聞いたときは、そういう答えでしたが、正式に紙に書いてどうだと いうふうに私も聞いたわけではないんで、あるいは聞き違いとか、そういうのもあると困りますので。新潟の運輸局の部長さんと当時本局のほうの課長さんが、 宮腰代議士ともども現場を視察されまして、その上でお聞きしましたら、簡単にそういうふうに答えられたもんですから、私は、そういう条件がもうとっくにク リアされているのかなというふうに思っております。だからといって、では自由に一般開放できるのかというと、これはまた別の話でありまして、そういうこと で、徐々にそういう方面では変わってきているのかなということでございまして、いろんな経費とか、そういうものもこの記録書の中で計算されていますが、そ ういうものも大幅に違ってくる可能性があるのかなというふうに思っておりますので、よろしくお願いします。
 それと、この中によく出てくる言葉な んですが、関西電力さんのところで、「コストダウンを強く求められている現在の社会情勢下にあって、関西電力としては必要のないものに投資できる状況には ない」という文言があちこちに必ずついています。要は、ちょっとでもお金のかかるところについては、コストダウンを求められとるんだから、関西電力はそん なことはできないということが、必ずこの記録書に載っております。
 当時としては、そのとおりなんだろうと思いますが、私が思うのは、例えば最近 原発のトラブルがありましたが、そんなときに地元貢献とかというのは、電力会社というのは随分変わってきたなと、しっかりと対応しているなと。あるいは火 力でも、いろんな公害の課題が出てきたときに、大幅に違ってきている。地元に対する対応が変わってきたなと。何で水力だけは昔から同じで──随分やっても らっているんですが、そういう意味では、もっと水力のほうにも地元貢献ということがあってもいいのではないかと。さらなる地元貢献というのをお願いできる のではないかというふうな気がするんですが、こういう文言が山ほど書いてあるんですが、それについてどのように感じられますか。

 

寺井観光・地域振興局長

 御説明のとおり、当時の記録書では、関西電力から聞き取りしたものをそこに記載しておるわけ ですけれども、関西電力には、これまでもかなり地元貢献として見学会などもやっていただいておりますが、引き続きその精神で拡充していただくように、また 働きかけていきたいと思っております。

 

横山委員

 最近、水についての考え方も、以前の感覚とは変わってきております。国交省でも親水とかという言葉をつくっ て、河川の管理も違ってきたりしております。私は原発みたいがにしてくれと言っているんではないんです。それから、これまで何もしてもらっていない、そん なことは全く申し上げていないんで、たくさんしていただいておりますが、このルート開放についてなかなか進まんものですから、何とか少しでもお願いしたい なというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 続きまして、この地域、立山・黒部地域の世界文化遺産登録暫定リスト入りですが、いよいよここへ来て最終盤を迎えているのかなと。なかなかハードルが高うございますし、難しいのかなというふうに思っております。
 結果はどのようになるかわかりませんが、この運動と取り組みというのは続けていかなければならんのかなと。しっかりと続けていくことによって、こういう登録が達成できるのかなというふうに思っております。
 その中で、白岩砂防堰堤、それから黒部川第二あるいは第三発電所などの遺産につきまして、重要文化財の指定の可能性とその時期についてどのように考えておられるか、知事にお伺いいたします。

 

石井知事

 白岩砂防堰堤、あるいは黒部川第二発電所は、いずれも日本を代表する近代化遺産でありまして、私は重要文化 財としての価値は十分に備えていると考えておりまして、現在、文化庁の専門係官から直接、現地や会議でアドバイスをいただきながら、重文指定に向けた調査 や協議を進めておるわけであります。
 具体的には、白岩砂防堰堤については、昨年度から土木部におきまして、土木史の専門家等で構成される専門家 会議を設けまして、白岩砂防堰堤の保存管理の計画書の策定、また構造物の詳細な図面の作成などを行っておりまして、施設を所有している国交省の同意をいた だいた上で必要な資料を文化庁に提出する。できれば、来年度前半には指定をもらいたいもんだと思っております。世界文化遺産はなかなかハードルが高い面も あるんですけれども、確かに、まずは重文指定をしっかりして、そしてしっかり足場を固めて進めていくということかと思います。
 それから、黒部川 第二発電所などの発電施設群については、今年度から県が助成をしまして、御承知かと思いますが、黒部市で施設群の図面作成、あるいは構造形式を把握する調 査を行っております。将来の施設の管理や保存の方法等を定めた詳細な保存管理計画を策定する必要がありまして、いろいろ議論をしております。課題もまだま だ多いんですけれども、これを所有されているのは関西電力ですから、今後、こうした所有者等と十分協議を進めまして、何とか重要文化財指定の理解が得られ るように努力をしていきたいと思っております。

 

横山委員

 ひとつよろしくお願いいたします。
 もう1つ、大野委員もちょっと触れておられましたが、環境省の 今年度予算に組まれております欅平インフォメーションセンターの基本設計、または実施設計について、何もその後聞かないもんですから、実施設計まで行く予 算がついておりますので、その進捗状況はどのようになっているのか。また、その建物の外側は別といたしまして、中にどのようなもの──足湯はなかなか難し いという話がありましたが、施設内容になる予定なのか、もしおわかりでしたらお教え願いたいと思います。

 

池田生活環境文化部長

 環境省において整備が進められます欅平のインフォメーションセンターにつきましては、19年度に利用者の利便性の向上を図るために必要な施設の規模でありますとか、基本的な機能などを盛り込んだ基本計画が作成されております。
  そこで、委員御案内のとおり、この基本計画をもとに、今年度実施設計までやってしまうということで、今準備を進めているところです。今月29日に環境省で は、設計業者を決定して作業に入っていくと。来年度は建設工事に着手し、22年度中の完成を目指すというふうになっているところでございます。
 施設の概要でございますけれども、まず施設の規模につきましては、休憩だとか、それから悪天候時の避難機能等を充実するために、今現在、解体を行っておりますけれども、現在のビジターセンターの約2.5倍の293.8平米の計画となっております。
  施設の内容でございますけれども、地元の黒部市さんを初めとする関係機関・団体などの意見も十分に参考にしていくという形にしておりまして、1つは、大型 スクリーンによる映像展示と企画展でありますとか、講演会などイベントにも利用できるという映像・多目的スペースというのを設けることになっております。 それから2つ目には、黒部の自然や文化、人をパネルとかジオラマで紹介する展示スペース。それから3つ目には、気象情報でありますとか登山道情報など、欅 平の今の状態がわかる情報機能とその情報をしっかり提供する案内カウンター、このようなものを充実させていくというふうにいたしております。
 さらには、新たに、自然解説活動に携わるナチュラリストの方々の活動拠点。これは今まではちょっと外に置いて、屋台のようなところでやっておったんですけれども、これをちゃんと中に置いて、活動拠点も配置するという計画になってございます。
  展示の内容でありますとか映像の詳細な内容につきましては、これから具体化されるところでございますけれども、環境省と県、黒部市、黒部峡谷鉄道、それか ら地元のナチュラリスト協会、旅館組合、そういう方々と打ち合わせの機会を設けることとなってございますので、このような機会を通じまして、より魅力ある 中身になりますように、環境省に対して必要な提案をしてまいりたいというふうに考えております。

横山委員

 どうかひとつよろしくお願いいたします。なかなか見えてこないような感じがいたしまして、この推進方についてまた御努力をお願いしたいと思います。
 それから、先日、観光カリスマの山田桂一郎氏から、スイス・ツェルマットの官民一体でつくり上げた観光のお話を聞きまして、自然を保全しながら、観光素材として利活用しているそうであります。
  ところで、黒部峡谷についてロープウエー構想──ここに計画書があるんですが、このことを知っておいでになりましたでしょうか。私も、具体的なこういう計 画につきまして、ことしの4月初めごろ、初めてこういう計画書があるということを知りました。平成14年に民間会社が調査いたしまして、欅平と黒部平を ロープウエーで結ぶという雄大な計画でありまして、「渓谷美を含めた大パノラマ展望」と、こう書いてあるんですが、私もそう思います。もし上から見ること ができましたら、ものすごいもんだなと。ルート見学会は見学会として、何とかして拡充して、また、こういった大きな計画があるということでありまして、も しでき上がりましたら、皆さんに十分堪能していただけるものでないかなというふうに思っております。
 この計画書によりますと、「概算210億 円」と書いてあるんですが、私は210億円では、今現在ではちょっと困難でないかという気がしておりまして、もうちょっとかかるのではないかなと。あるい は期間としましても、環境アセスで3年ぐらいかかるだろうと。それはかかるだろうなと私も思っております。全体とすれば、かなりの年月がかかるのじゃない かなと思っています。
 また、黒部平まで結ぶというと、いろんなルートが考えられるのではないかということを言っておりまして、それについてはいろいろ検討していけばいいのではないかというふうに言っております。
 こういうものをつくったときに料金的にはどうかということになりますと、欅平から黒部平まで大体5,000円ぐらいのロープウエーの料金ということで、空中散歩を楽しんでいただこうということになっております。
  私は、環境に対する課題があるとは思いますが、自然公園というものにつきましても、一生懸命守っていくんだということばかりではいかがなものかと。最近 は、もちろん自然環境を守るということでありますから、自然公園について守るというのも大切ですが、環境に配慮しながら利活用するということで、先ほどの 観光カリスマの山田桂一郎さんがスイスのことを言っておられましたが、自然を保全しながら観光素材として利活用しているというお話でございました。こうい う視点も大切でないかなと思います。ロープウエーというものは、そういう意味では、道路なんかをつくるよりは、非常に環境にやさしい乗り物であることは間 違いなく、音も最近は大分静かになるということも聞いております。
 この計画の実現に向けまして大きな県民運動、またほかの自然公園がたくさんご ざいますので、ここばかりというわけにはいかないでしょうけれども、それらの地区と連携した国民的な運動となるよう、行動を起こしてみる価値はあるのでは ないかと思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。

 

石井知事

 今委員から御紹介のありました黒部ロープウエーの計画は、正直、私は今般初めて、そういう構想があるという のをお聞きしたんですが、夢のあるスケールの大きな構想だと拝聴いたしました。全長約15キロにわたって北アルプスの大パノラマが展望できると。また、宇 奈月から立山黒部アルペンルートに至る循環ルートが形成されるといった点で、もし実現すれば、国内外から注目されるものになるだろうとは思っております。
  ただ、この構想については、まさに今委員もおっしゃいましたように、まだ地質調査とかもされていませんし、技術的に建設が可能かどうかとか、また取り組も うという事業主体が、今の時点では不明でありまして、採算性の点からも事業として成り立つのかどうか。今おっしゃったように、事業費も210億というのは どんなもんかなというようなことも思いますし、また厳しい条件のもとで、何といってもこれは安全が大事なテーマでありますので、運行の安全性の確保が本当 にできるのかとか、それからもう1つ、国立公園内で特別保護地区等に指定されまして、御承知のように相当規制が厳しいなどの問題がありまして、実現には相 当課題が多いんじゃないかと思っております。
 特に中部山岳国立公園内にありますので、ロープウエーを設置するためには、これは国が施設計画に位 置づけないと進まないわけですが、環境省は公園計画作成要領というのをつくっていますけれども、新設される索道(ロープウエー)については、特別保護地区 には計画しないというふうに明確に書いていますので、実現には相当ハードルが高いんじゃないかと思っております。
 現時点では、正直、なかなか実現に向けて難しいんじゃないかと思っているんですけれども、せっかく夢のある構想を今拝聴させていただきましたので、長期的な視点で考えていきたい、こういうふうに思っております。

 

横山委員

 2つ大きな課題があると思うんです。1つは、だれがやるのかと。これは言われるとおり、事業者はだれなのか ということ。これは別にしましても、もう1つは環境省です。環境省のほうで、自然公園の計画の中のロープウエーはやらないというのは、これは変更しなきゃ ならんと。それで知事に申し上げているんで、知事は大変観光に御理解のある方でありまして、富山県としても、今後観光に頼っていける21世紀には、アルペ ンルート一本やりでなくて、あそこを周遊して回れるなんていうことになりますと、私は、それはスイスに負けないくらいのすごい構想だなというふうに思いま す。
 それから、観光カリスマが言われましたが、そんな観光であっても、地元に金を落としてもらわないと、素通りでごみだけ落としてもらっても困 るんじゃないかというお話も一生懸命しておいでになりました。そういう意味では、そういうふうな周回ルートをつくれば、世界的にたくさんの方が来られて、 しかも宇奈月温泉とかもあるし、あるいは立山町はあまり宿泊施設がないんですが、そんなのをじゃんじゃんつくっていただいて、金が落ちるシステムをつくっ ていただくということができるんではないかな。そのためには、言われるとおり県民運動、あるいは国民的な運動にしないと、とても富山県だけが何か言ってい て、この計画が変えられるというものではないと私は思いますので、知事、ぜひそういうものに向けて……。あまり長期、長期と言うと、やらないというふうに 聞こえてしまいますので、長期と言わずに、とりあえず何か行動を起こしてみてはどうかと。
 そこで、次の課題になるわけですが、観光カリスマの山 田さんのお話を聞いていますと、観光の素材は知名度だけではだめなんだと、認知度を上げなければならない。また、オンリーワン、ナンバーワンということを 一生懸命言っていますが、それだけはなかなか売れないと言っておいでになります。その素材の価値を高めなければならないというお話でございました。
  要は、こっちでいいますと、黒部峡谷の価値を高めることが大切なのかなと。そんな中で、こういった構想も一つのアイデアではないか。あるいはルート見学会 の見学者数をもっと大幅に増やしていただくとか、先ほど申し上げましたように、関西電力さんに全く無理なお話をしているわけですが、休みの日はそんなに資 材も人も上がらないんだということであれば、2便でやると。あるいは30人じゃなくたって、70人まで乗れるんだから50人ぐらいでもいいよとか、いろん なお願いをするすべがあると、私はそういうふうに思っております。
 富山県の持っている、まだ鈍い光しか発していない観光資源である黒部峡谷、黒部ルートが光り輝くようにしなければならないと思っております。そのために研究会を立ち上げて、このルートの利活用につきましてじっくりと研究してみてはと思いますが、いかがでしょうか。

 

寺井観光・地域振興局長

 県では、黒部川流域の保全と 利活用について調査検討を行うために、平成14年に庁内の関係課によります黒部峡谷等に関する研究会を設置しております。この研究会では、平成15年にも フォローアップ調査などもやっておりますが、黒部ルートについては安全や環境などの面から、一般開放は当面は困難でありますが、公募見学会がさらに利用し やすいものになるように関西電力との協議を継続するという考えを示しておりまして、現在は、その方針に従って関西電力との協議を行ったりしておるわけであ ります。
 また、立山・黒部地域は、世界文化遺産の登録を今現在目指しておるわけですけれども、関係市町、立山黒部を愛する会、県民の会の皆さん とともに力を合わせて登録運動に取り組んでいるところでありまして、これに関連して、先ほど知事の答弁にありましたように、発電施設に関する重要文化財指 定について黒部市、関西電力等と協力して検討を進めておるという状況でございます。
 現在、こうした活動にいろいろと努力しておるということは十 分御案内のとおりでありますが、あわせまして、黒部ルートを含めた黒部川流域の保全と利活用について、引き続き、先ほど申しました庁内研究会のほか、国、 関係市、それから愛する会などなど、そのほかに黒部峡谷鉄道、関西電力とも連携、協議しながら調査研究、情報交換を行っていくことにしていきたいというふ うに思っております。

 

横山委員

 局長、そういうふうにして協議していくって、その研究会というものを立ち上げるんですか、どうなんですか。

 

寺井観光・地域振興局長

 先ほど申しました、現在、庁内に黒部峡谷等に関する研究会というものを設置してございますので、それを活用して検討していきたいというふうに考えております。

 

横山委員

 庁内の機関では、それはだめだとは言わないですが、どうしても偏った話しかないですよね。私が申し上げてい ますのは、もちろん県も絡みますけれども、地元の方々、あるいは国、それから観光団体。局長は、観光という視点で、今度からどんどん言ってもらわんと困 る。せっかく観光と頭につけておいでになられますので、いろんな会議でぜひお願いしたいんですが、そういういろんな方々を取り巻いて、今の構想とか、それ からルート見学会の話とかをゆっくりと研究してみると。県の一部の方と関西電力さんとで話をするんではなくて、地域貢献を受けられるような地区の皆さんみ んなで寄り合って、どうしたら黒部ルート、黒部峡谷の利活用が図られるのか。庁内だけでは、偏った話とは言いませんが、地元の方々の意見というのは取り入 れられないと思うんです。そういった組織をつくられる考えはございませんか。

 

寺井観光・地域振興局長

 今までも、事実上いろんな形で関西電力等とも協議いたしておりますし、現在、いろんな組織と して県民の会とかいろんな方々に動いていただいておるわけですけれども、新たな組織をつくるかどうかということにつきましては、いましばらく検討させてい ただきたいと思っております。

 

横山委員

 そういう方々を全部含めて何かできればということで、御検討願いたいと思います。
 続きまして、北陸新幹線などについて質問したいと思います。
  北陸新幹線の中でも並行在来線対策協議会についてなんです。地元の黒部でも言われているんですけれども、並行在来線について検討しておいでになるんです が、この中身につきまして、各市町村のまちづくりとかということに大きく影響しております。これによって、例えば黒部でも大きな影響を受けまして、どうい うふうな方向に進んでいくんだということが変わってくると思うんです。
 どうもスピード感がないような気がしてならないんですが、どのように認識しておられるのか、お伺いいたします。

 

寺林知事政策室長

 並行在来線に対する取り組みにつきましてでございますが、平成17年に県、全市町村、それから主な 経済団体等から構成されます並行在来線対策協議会を設置しまして協議を進めるとともに、将来需要予測や収支予測などの各種基礎調査を着実に進めてきたとこ ろであります。
 一方で、並行在来線につきましては、政府・与党で現在、並行在来線の運行のあり方、支援について検討が進められております。本県 としましても、現行制度のもとでは、将来、並行在来線は厳しい経営環境におかれることが見込まれるため、並行在来線を将来にわたり持続可能にする新たな仕 組みが確立されることが、まず必要と考えており、国等に対して制度の見直しなどを強く要請しているところであります。
 本県の並行在来線の検討に つきましても、政府・与党の今後の検討結果を十分踏まえていく必要があると思っております。御指摘のとおり、並行在来線のあり方につきましては、既存駅、 駅周辺の活性化、さらには新駅の設置などを初め、沿線市町村のまちづくりとも密接に関連することから、これらの点につきましても、各市町村のお考えをお聞 きしながら、並行在来線対策協議会で十分に議論していくとともに、また並行在来線の経営のあり方につきましても、これまでの調査結果などを踏まえ、今後と も、おくれることのないよう計画的に検討を進め、しっかりとした見通しに基づく適正な経営計画の策定につなげてまいりたいと思っています。
 今後とも、国等の動きも注視しながら、市町村と連携して、並行在来線対策に計画的に取り組んでまいりたいと考えております。

 

横山委員

 ひとつよろしくお願いいたします。
 現在、宇奈月駅とか富山駅から、家族連れといいますか、ファミリーなんかがいろんな手段によってアルペンルートに観光に訪れておられるんです。
  それで、地元のことばかり言って申しわけないんですが、北陸新幹線が開業したときに、(仮称)新黒部駅を、立山・黒部地域の玄関口だと。私は、できれば立 山黒部駅という名前がいいんじゃないかと思っておりますが、立山・黒部地域の玄関口と位置づけまして、新黒部駅から立山室堂までの直行バスを検討してはと 思いますが、いかがでしょうか。

 

寺林知事政策室長

 北陸新幹線新黒部駅──仮称でございますが、県東部地域の新たな玄関口として、観光やビジネスなど の交流をしっかりと支えることができるよう、周辺の鉄道や、これらに接続する路線バスなども含めた二次公共交通全体を見直し、機能的なネットワークとして 活性化を図ることが大切であると思っております。
 こうした観点から、委員御提案の新黒部駅から立山室堂までの直行バスが運行された場合は、世界 に誇り得る美しい自然環境である立山・黒部をさらに多くの観光客にアピールできることに加えまして、黒部峡谷鉄道やアルペンルートを含めた新たな広域観光 ルートを開発する上で布石になるものと考えております。
 いずれにいたしましても、北陸新幹線の開業により人の流れが大きく変わることが予想され ることから、立山室堂への直行バスも含め、新黒部駅における二次公共交通のあり方を検討する際には、観光、地域再生、まちづくりとの連携を図ることが大切 だと思っておりまして、市町村、交通事業者、観光、商工、まちづくり関係者などと連携協力しまして、新幹線の開業で見込まれる交流の拡大なども十分考慮し ながら、中長期的な視点に立って取り組んでまいりたいと思っております。

 

横山委員

 どうかひとつよろしくお願いいたします。
 続きまして、3つ目の課題でございまして、私立の保育所、幼稚園、高校の耐震化についてお伺いしたいと思います。
 さきの中国・四川省の震災によりまして、衝撃的な学校の崩落、700名とも言われる生き埋めの生徒が発生しているという映像なんかも報道されました。あすは我が身でありまして、富山県で起こらないとは全くだれも言えないと思っております。
  公立の学校などの耐震状況については非常に話題に上りますし、いろいろ検討もされてきておりますが、私立の施設についてはどのような状況なのか。富山県に おける私立の保育所、幼稚園、高校の耐震化率はどれくらいになっているのか、近県の状況とともにお教えいただきたいと思います。

 

林厚生部長

 私立保育所の耐震化に関します厚生労働省が行いました昨年4月1日現在の調査によりますと、対象となります本県の私立保育所101棟のうち、耐震化済み施設は51棟でありまして、その耐震化率は50.5%というふうになっております。
 なお、石川県の保育所の耐震化率は32.1%で、福井県は58.5%というふうに聞いております。

 

荻澤経営管理部長

 県内の私立高校については、この春に開校いたしました新設校1校も含めて10校ございますけれども、今ほどの保育所と同様に棟ごと、建物の棟数ベースで見ますと、耐震化率は58%でございます。
 参考までに、近県の状況でございますが、これは昨年の4月現在の文部科学省調査がございますけれども、石川県が73%、福井県が54%という状況になっております。
 また、私立の幼稚園につきましては、同じく文部科学省調査でございますけれども、富山県は54.9%、石川県が64.4%、福井県が50%というふうになっております。

 

横山委員

 富山県もそんなにというか、全国的にほとんど進んでいないというのが現状じゃないかなという気がいたしま す。私立といっても保育所、幼稚園等については、市町村も絡んでおるもんですから、かなり順調に進んでいくのかなと思うんですが、高校については、なかな かそうはいかないんではないかと私は思っております。
 校舎の耐震化は非常に費用もかかりますし、なかなか一度に行えないと思っているんですが、県内各私立高校は耐震化の計画をしっかりと立てておられるのかどうか、お伺いしたいと思います。

 

荻澤経営管理部長

 今ほど申し上げましたとおり、県内の私立高校は10校ございますけれども、そのうち1校は新設校 で、この春開校したところでございまして、校舎も現在の耐震基準にのっとって建てられている。残り9校でございますけれども、そのうちの5校では、国の補 助制度を活用して耐震補強工事に取り組んでいるところ、また耐震診断を終えて、これから耐震補強工事に取りかかろうという学校もございます。また、学校内 部で改築を含めた対応を検討中という学校など、それぞれ何らかの形で耐震化の推進に取り組んでいるものというふうに理解しております。

 

横山委員

 それでは、最後に知事にお伺いいたしますが、公立の小中学校は、国の補助率のアップなんかもありまして、計 画的に進んでいくのではないかなと。また、県立の高校につきましては、この間発表がありましたように、体育館など11棟を前倒しでやっていくというような ことで、県がしっかりと絡んでおいでになりますので、耐震化が加速されていくんだなというふうに思っております。
 同じ富山県の子供たち、高校生が通います私立高校の耐震化がおくれてはいけないというふうに思っております。県としてどのような支援、または指導をしていかれる予定なのか、お伺いいたします。

 

石井知事

 私立高校の耐震化ですけれども、県では、従来から耐震化診断についての経費は経常費補助金の補助対象にしております。
  また、耐震化の推進に当たりましては、これまでも、私立学校の理事長会、校長会等の機会を活用しまして、国の補助制度はこうなっていますよ、それから県の 低利融資制度はこうですよということで、制度の周知を図りまして、なるべくやっていただくような助言も行っております。
 各私立高校では、既に一部で国の補助制度を活用した耐震補強工事を進めるなどの対応もとられておりますけれども、経営環境の厳しさもありまして、検討はしているんだけれど具体的な事業着手になかなか至っていないというところも見られます。
 そこで、中部圏知事会では、私どもからも言いまして、ことし8月に、私立学校の教育施設について、耐震工事の補助率の引き上げと現在対象となっていない耐震化のためにやむを得ず改築工事を行うような場合も補助対象に加えるように国に対して要望も出しております。
  また、ことし6月に国で、議員立法で地震防災対策特別措置法の改正がございまして、地震の際に倒壊等の危険性の高い公立小中学校の校舎の耐震補強工事につ いて補助率を2分の1から3分の2にする。それから、コンクリート強度等の問題によってやむを得ず改築工事をする場合は、今までは3分の1の補助だったの を2分の1にするということで補助率が引き上げられますとともに、私立の小中学校についても、財政上、金融上の配慮をすべきことが新たに盛り込まれており ます。
 こうしたことから、文部科学省は、来年度の予算の概算要求におきましては、私立の高校を対象とした施設整備補助事業の中に、独立した補助 メニューとして、施設の耐震化のための耐震改修工事を行う学校施設耐震改修事業というものを設けまして、約38億円の要求をしております。
 各私 立高校においては、国も従来に比べれば支援措置を拡充しようという動きになっていますので、引き続き御検討もいただいて、早く耐震化についての取り組み方 針を定めていただければと思っておりまして、県としても、国の補助制度なり、県の融資制度が効果的に活用されますように必要な助言を行ってまいりたいと思 います。

 

横山委員

 これで終わりますが、知事はよく御存じだと思いますが、私立高校の中にも、体力的にしっかりしたところとそうでないところがありますので、何とかして支援をしていただきたいと思います。終わります。

 

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